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補助金を使って機械や設備を買ったとき、「受け取った補助金にも税金がかかるの?」「確定申告ではどう書けばいいの?」と迷ったことはありませんか。補助金は申請や実績報告で手いっぱいになりがちですが、税金の扱いも早めに知っておくと安心です。
この記事では、国税庁のタックスアンサー「No.2202 国庫補助金等を受け取ったとき」(令和8年4月1日現在法令等)をもとに、個人が固定資産の取得や改良のために補助金を受けたときの所得税の取扱いを5つのポイントにまとめます。数字を使った計算例は、この記事で仮の金額を置いた例です。後半の、申告に向けた準備の進め方は、この記事の提案です。
※税金の扱いは、補助金の種類や使い道、事業の状況によって変わることがあります。この記事は一般的な仕組みの紹介で、個別のケースに当てはまるかどうかを判断するものではありません。ご自身のケースは、所轄の税務署や税理士に確認してください。
国庫補助金等とは
タックスアンサーでの言い方
国税庁のタックスアンサーでは、固定資産の取得や改良に充てるために国または地方公共団体から受ける補助金や給付金などを、まとめて「国庫補助金等」と呼んでいます。対象税目は所得税で、個人の確定申告にかかわる取扱いです。
どんな場面の話か
たとえば、事業で使う機械を買うために補助金の交付を受け、実際にその機械を買った、という場面がイメージしやすいでしょう。ポイントは「固定資産の取得や改良に充てるため」の補助金であることと、「交付の目的に適合した」取得や改良をしたことです。
補助金と所得税の5つのポイント
ここでは、国税庁のタックスアンサーNo.2202の内容から、押さえておきたい点を5つにまとめます。
1. 総収入金額に算入しない取扱いがある
交付の目的に適合した固定資産の取得や改良をしたときは、国庫補助金等のうち、その固定資産の取得や改良に充てた部分の金額に相当する金額を、総収入金額に算入しないこととされています。
2. 確定申告書への記載が条件
この取扱いは、確定申告書に一定の事項を記載することが条件とされています。何もしなくても自動的に適用される、というものではない点に注意が要ります。
3. 明細書を添付して提出する
申告の方法として、「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付した確定申告書を、所轄税務署長に提出するよう案内されています。
4. 取得費は補助金の分を差し引いた額
この取扱いを受けた固定資産の取得費は、実際に取得のために要した金額や改良費の額から、総収入金額に算入されなかった国庫補助金等の額を控除した残額になると説明されています。
5. 減価償却も差し引いた額がもとになる
この取扱いを受けた固定資産の減価償却費の計算は、上の取得費の額を基礎として行うこととされています。補助金の分は、のちの減価償却費にも影響するということです。
5つのポイントの早見表
| ポイント | 国税庁の説明 |
|---|---|
| 対象 | 固定資産の取得や改良に充てる国や地方公共団体の補助金など |
| 取扱い | 取得や改良に充てた部分の金額を総収入金額に算入しない |
| 条件 | 確定申告書に一定の事項を記載 |
| 提出物 | 「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付 |
| 取得費・減価償却 | 補助金の額を差し引いた残額が取得費となり、減価償却の基礎になる |
表の内容は、国税庁のタックスアンサーNo.2202の説明をまとめたものです。根拠法令として、所得税法42条・43条などが挙げられています。
仮の金額で考える計算例
300万円の機械に200万円の補助金
ここでは、この記事で仮の金額を置いて、仕組みを確かめます。事業用の機械を300万円で買い、そのために200万円の補助金を受け、交付の目的に適合した取得だった、という例です。
| 項目 | 金額(仮の例) |
|---|---|
| 機械の取得に要した金額 | 300万円 |
| 取得に充てた補助金 | 200万円 |
| 総収入金額に算入しない額 | 200万円 |
| 取得費(300万円−200万円) | 100万円 |
| 減価償却の基礎となる額 | 100万円 |
「税金がかからない」とは言い切れない
この例では、補助金の200万円を総収入金額に入れない代わりに、機械の取得費が100万円になり、減価償却もこの100万円をもとに計算します。補助金の分だけ、のちに経費にできる減価償却費も小さくなるため、単純に「補助金には税金がかからない」と考えるのは避けましょう。実際の金額や耐用年数による計算は、税務署や税理士に確認してください。
対象にならない場合も考えておく
固定資産の取得や改良以外に使う補助金
タックスアンサーNo.2202が対象としているのは、固定資産の取得や改良に充てるための国庫補助金等です。たとえば経費の一部を補う形の補助金など、これに当たらない補助金をどう扱うかは、このページでは説明されていません。補助金の種類ごとに、税務署などで確認しましょう。
法人の場合は別の取扱い
No.2202は所得税の取扱いです。法人については、国税庁の法人税基本通達に「国庫補助金等で取得した資産の圧縮記帳」という節があり、別の取扱いになります。法人として補助金を受けた場合は、法人税の取扱いを確かめてください。
確定申告までの流れ
流れを表で確かめる
タックスアンサーNo.2202の内容をもとに、補助金を受けて固定資産を買ってから確定申告をするまでの流れを、この記事で整理すると次のようになります。
| 段階 | やること | 確かめたい点 |
|---|---|---|
| 1 | 補助金の交付を受ける | 固定資産の取得や改良に充てるための補助金か |
| 2 | 固定資産を取得・改良する | 交付の目的に適合しているか |
| 3 | 金額を整理する | 取得に要した金額と、充てた補助金の額 |
| 4 | 明細書を作る | 「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」 |
| 5 | 確定申告書を提出する | 明細書を添付して所轄税務署長へ |
段階の分け方は、この記事での整理です。補助金ごとの手続きの順番は、交付元の案内もあわせて確かめてください。
取得費は減価償却の計算にずっと影響する
取得費が補助金の分だけ小さくなると、その固定資産を使う年数のあいだ、毎年の減価償却費の計算にかかわります。申告した年だけでなく、翌年以降の帳簿でも同じ取得費をもとにする点を、メモしておくとよいでしょう。
根拠法令を知っておく
タックスアンサーが挙げる法令
タックスアンサーNo.2202では、根拠法令等として、所得税法42条・43条、所得税法施行令89条・90条・91条、所得税法施行規則20条・21条が挙げられています。条文まで読む必要はありませんが、税務署や税理士に相談するときに「所得税法42条の取扱い」と伝えると、話が通じやすくなるかもしれません。
法令は改正されることがある
タックスアンサーには「令和8年4月1日現在法令等」と書かれています。法令は改正されることがあるため、申告の時期には、その時点のタックスアンサーを確かめるようにしましょう。
よく出てくる言葉の一覧
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 国庫補助金等 | 固定資産の取得や改良に充てるため国や地方公共団体から受ける補助金や給付金など |
| 総収入金額 | 所得を計算するときの収入の合計 |
| 総収入金額不算入 | 総収入金額に入れない扱い |
| 取得費 | 固定資産を手に入れるためにかかった金額 |
| 減価償却 | 固定資産の取得費を使う年数に分けて経費にしていく考え方 |
| 所轄税務署 | 申告書を提出する、住所地などを管轄する税務署 |
言葉の意味は、この記事でのかんたんな説明です。くわしくは国税庁の案内を確かめてください。
申告に向けた準備の進め方
ここからは、国税庁のタックスアンサーの内容をもとにした、この記事の提案です。
交付決定や確定の書類を一つにまとめる
補助金の交付決定通知や確定通知、入金の記録、固定資産の請求書や領収書を、ひとつのファイルにまとめておくと、申告のときに金額を確かめやすくなります。
補助金の使い道を書き出す
受け取った補助金のうち、どの固定資産の取得や改良に、いくら充てたのかをメモしておきましょう。総収入金額に算入しない額や、取得費の計算に直接かかわる部分です。
明細書の様式を早めに確かめる
「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」は、国税庁の様式のページから確かめられます。申告の直前に慌てないよう、早めに目を通しておくと安心です。書き方でわからない欄があれば、メモにまとめて相談のときに見せられるようにしておきましょう。
わからないときは相談窓口へ
国税庁のタックスアンサーでは、国税に関する相談は「税についての相談窓口」を案内しています。判断に迷う点は、所轄の税務署や税理士に相談しましょう。
補助金と税金のよくある質問
補助金を受け取ったらすべて収入になる?
タックスアンサーNo.2202では、固定資産の取得や改良に充てた部分について、条件を満たせば総収入金額に算入しない取扱いが紹介されています。それ以外の補助金の扱いは、補助金ごとに確認が必要です。
何もしなくても不算入になる?
確定申告書に一定の事項を記載することが条件とされ、明細書を添付した確定申告書の提出が案内されています。
減価償却はどうなる?
補助金の額を差し引いた残額が取得費となり、減価償却費はその額を基礎として計算すると説明されています。
機械の改良に使った場合も対象?
タックスアンサーNo.2202では、固定資産の「取得や改良」に充てるための国庫補助金等が対象とされています。改良の場合は、改良費の額から補助金の額を控除した残額で考えると説明されています。
補助金の一部だけを機械に使ったら?
総収入金額に算入しないのは、国庫補助金等のうち、その固定資産の取得や改良に充てた部分の金額に相当する金額とされています。どの部分をいくら充てたのか、記録を残しておきましょう。
地方公共団体の補助金も含まれる?
タックスアンサーでは、国または地方公共団体の補助金や給付金などを「国庫補助金等」と呼んでいます。
どこに申告する?
申告先は所轄税務署と案内されています。
補助金の税金の扱いを知って申告に備えよう
国税庁のタックスアンサーNo.2202では、固定資産の取得や改良に充てるための国庫補助金等を受け、交付の目的に適合した取得や改良をしたときは、確定申告書に一定の事項を記載することを条件に、充てた部分の金額を総収入金額に算入しないと説明されています。その代わり、取得費は補助金の額を差し引いた残額となり、減価償却もその額をもとに計算します。ご自身のケースに当てはまるかどうかは、所轄の税務署や税理士に確認しながら、早めに書類を整えておきましょう。